医院名 |
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イリョウホウジンシャダンエジマイイン 医療法人社団 江島医院 |
院長 |
ヤマキド ヒデト 山木戸 英人 |
住所 |
〒734-0015 広島県広島市南区宇品御幸2-5-7 |
診療科目 |
内科、小児科、呼吸器内科、アレルギー科、放射線科 |
電話番号 |
082-251-2525 |
タバコを長年吸い続けることで、肺がんや心筋梗塞になりやすいといわれていますが、タバコと一番密接に関係する病気が「COPD(慢性閉塞性肺疾患)」。直接タバコの煙などの有害物質を吸い込むことによって、気管支と肺に障害が起こる疾患です。
COPDの初期の自覚症状は、しつこく続く咳、たん、息切れです。しかし、ありふれた症状のため、多くの方は気づかずに症状が進むまで見過ごしてしまいます。とくに喫煙経験のある方は、これらの症状を見過ごさず、早めに受診することが必要です。
COPDの初期の自覚症状には、咳やたんがしつこく続く、階段を上る時などに息切れがする、同年代の人と歩いていても遅れてしまう、などがあります。しかし、ありふれた症状であるため見過ごされることも少なくありません。
COPDを放っておくと、肺胞がどんどん破壊され、呼吸困難のために日常生活に支障が出てきたり、寝たきりの状態になることもあります。
COPDは「肺の生活習慣病」です。早い時期に病気を発見し、治療を始めれば、これまでと変わらずいきいきとした生活を送ることができます。
COPDの主な症状は、初期には咳やたんがしつこく続く、階段を上る時などに息切れがする、同年代の人と歩いていても遅れてしまう、などがあります。
病気が進行してくると、平地を歩いていたり座っていても息切れがする、会話や食事の時に息切れがする、息切れのために外出ができない、などの症状があらわれ、ついには呼吸困難のために寝たきりになってしまいます。
COPDは呼吸器だけでなく全身に影響を及ぼします。適切な治療を受けずにいると、息切れのために体を動かすことが少なくなり、四肢の筋力が衰えてさらに息切れがひどくなります。早期診断、早期治療が何よりも重要なのです。
COPDの主な原因は、タバコです。タバコを吸っていると気管支や肺に慢性的な炎症が起こり、吸い始めて20~40年経つと、COPDを発症してくると考えられます。
タバコの他に、大気汚染などが原因になることもあります。
タバコを吸い続ける限り、呼吸機能の低下は止まりません。COPDと診断されたら、すっぱりと禁煙することが最も重要な治療となります。
21世紀に入り、COPD患者さんは増加し続けています。WHOの調査によると、COPDは1990年の世界の死亡原因の第6位でしたが、2020年には世界の死亡原因の第3位に上昇すると予想されています。
日本でも、高齢化が進み、喫煙率が高いことから、今後、COPD患者さんがますます増加すると考えられます。
日本で行われた大規模な疫学調査の結果、COPD患者さんの有病率は、40歳以上では8.5%(約12人に1人)にのぼることがわかりました。
COPDは決して珍しい病気ではないのです。
COPDを発見するには、スパイロメーターという機械を用いて肺機能を調べます。
この検査を受けるためには特別な準備は必要なく、検査は数分間で終了します。
その他、動脈血の酸素濃度を測る検査、胸部X線写真撮影、心電図検査、胸部高分解能CTなどを行うこともあります。
この検査は、最大限に息を吸えるだけ吸い、吸った息を思い切り強く吐き出した空気の最大量「努力肺活量(FVC)」と、最初の1秒間に吐き出せる空気の量「1秒量(FEV1)」を測定し、1秒量を努力肺活量で割った「1秒率(FEV1.0%)」を算出します。(FEV1.0%=FEV1.0/FVC×100)
この1秒率が70%未満の場合は、COPDの可能性があります。
COPDの治療は、重症度によって異なります。
治療の基本は禁煙とインフルエンザワクチンの接種で、症状によって、薬物療法、食事療法など、さまざまな治療を行います。
日本呼吸器学会では、COPDの重症度を「0期(リスク群)」から「Ⅳ期(最重症)」までの5段階に分類しています。重症度によって、治療内容を増やしていきます。治療は自己判断で中止せず、医師の指示に従って続けましょう。
COPDの治療は、重症度にかかわらず禁煙が基本です。今すぐ禁煙しましょう!
禁煙をすると、COPDの進行が抑えられます。また、COPD以外のさまざまな病気にかかる確率が低下します。
禁煙はニコチン依存症の状態です。
禁煙にはニコチンからの離脱症状が伴いますので、確実に禁煙するためには医師の治療を受けるとよいでしょう。禁煙を助けるための薬剤を処方してもらうこともできます。
COPDの治療に使う薬剤は、はたらきによって4つのグループにわけられます。
COPDの重症度に応じて、使用する薬剤の種類を増やしていきます。
薬物療法は、COPDの症状を軽くし、増悪の頻度を減少させ、症状の重症化を防ぎます。それとともに、生活の質を改善し、運動能力をアップする効果もあります。薬物療法は自己判断で中断したりせず、医師の指示に従って行いましょう。
COPDの治療としては、禁煙や薬物療法を含めた幅広い治療を行うことで、生活の質を高め、息切れを軽くすることができます。
ご家族とともに生活の中に組み込んで行いましょう。
呼吸リハビリテーションは、残っている呼吸機能を最大限に生かすことを目的に、無理なく日常生活の中で行えるように考えられています。
医師の指示に従って、根気よく続けましょう。
COPDになると、やせてくる患者さんがかなり多くみられます。これは、呼吸のためのエネルギー消費量は、通常は36~72kcal/日であるのに対して、COPD患者さんの場合はその約10倍の430~720kcal/日となり、健康な人と同じような食事の取り方では、エネルギーが不足してしまうためです。
やせてくると、感染症にかかる危険も増え、増悪を起こしやすくなります。
栄養管理の点でわからないことがあったら、主治医や栄養士に相談してみましょう。また、栄養補助食品を取り入れてもよいでしょう。
COPD患者さんにとって最も大切なことは、早いうちから適切な治療を継続して行い、今と変わらない生活を送ることです。
COPDを放っておくと、呼吸機能の低下から、体を動かすことが困難になり、寝たきりの生活を送ることになってしまいます。そうならないためにも、早いうちからCOPDについてよく知り、医師とともに積極的に治療に取り組みましょう。
COPDの治療を成功させるかどうかは、患者さんご自身にかかっています。医師は患者さんの治療を最大限サポートします。ご一緒にがんばりましょう!